源氏物語 げんじものがたり 第一部(一帖から三十三帖)

www.instagram.com

桐壺 源氏物語絵巻 伝海北友雪

matuyonosuke.hatenablog.com

げんじものがたり【源氏物語

平安中期の長編物語。五四巻。紫式部作。長保三年(一〇〇一)以後の起筆とされるが成立年代は未詳。桐壺・帚木(ははきぎ)・空蝉(うつせみ)・夕顔・若紫・末摘花(すえつむはな)・紅葉賀(もみじのが)・花宴・葵・賢木(さかき)・花散里(はなちるさと)・須磨・明石・澪標(みおつくし)・蓬生(よもぎう)・関屋・絵合・松風・薄雲・朝顔・乙女・玉鬘(たまかずら)・初音・胡蝶・蛍・常夏・篝火(かがりび)・野分(のわき)行幸(みゆき)藤袴・真木柱・梅枝・藤裏葉・若菜上・若菜下・柏木・横笛・鈴虫・夕霧・御法(みのり)・幻・(雲隠)・匂宮(におうのみや)・紅梅・竹河・橋姫・椎本(しいがもと)・総角(あげまき)・早蕨(さわらび)・宿木・東屋・浮舟・蜻蛉(かげろう)・手習・夢浮橋の五四帖(雲隠は、巻名だけ)から成る。

主人公光源氏藤壺宮との過ちにおののきながら、愛の遍歴ののち、準太上天皇となる(第一部。藤裏葉巻まで)。

しかし託された女三の宮と柏木との密通事件によって過去の罪の報いを知り、苦悩のうちに生涯を終える(第二部。幻巻まで)。

つなぎの三帖を置いて、いわゆる宇治十帖は、柏木と女三の宮との罪の子薫(かおる)を主人公に、競争者匂宮と宇治の姫君たちを配し、暗い愛の世界を描く(第三部)。

仏教的宿世観を基底にし、平安貴族の理想像と光明が、当時の貴族社会の矛盾と行きづまりを反映して、次第に苦悶と憂愁に満ちたものになっていく過程が描かれ、「もののあわれ」の世界を展開する。登場人物の個性、心の陰影など写実的な描写にすぐれ、あらゆる物語的要素を含んで、日本古典の最高峰とされる。注釈書の数も多く、擬古物語はじめ、謡曲御伽草子俳諧連歌など後世に多大な影響を与えた。源語。紫文。源氏。なお、古くは、「うちのうへの、源じの物がたり人に読ませ給ひつつ聞こしめしけるに」(紫式部日記‐消息文)、「この源氏の物がたり、一の巻よりしてみな見せ給へ」(更級日記)のように、「源氏の物語」と「の」を入れて呼ばれたらしい。

 

精選版 日本国語大辞典

 

 

第1部「桐壺」~「藤裏葉

第1部は、主人公光源氏の出生以前から始まる。ある帝の後宮で、故大納言の娘の桐壺更衣は、支援する後見もないまま多くの后妃たちを引き離して帝の愛を独占し、やがて無類の美貌と才質に恵まれた第2皇子を生んだ。しかしながら更衣は同輩たちの憎悪嫉妬の的となり、皇子が3歳の年、心労のあまり病死した。更衣の遺児の皇子は帝の庇護のもとに成長し、学問諸芸の万般に神才を発揮した。帝はこの皇子を東宮にたて、やがては皇位を譲ろうと願ったが、周囲の支持も得がたくて断念し、臣籍に下して源姓を賜ることになった。東宮となったのは、右大臣の娘弘徽殿女御(こきでんのにょうご)腹の第1皇子朱雀院である。12歳で元服した源氏の君は、左大臣の娘で、帝の妹宮を母とする葵の上と結婚し、その社会的地位の安泰も約束されたが、しかし母桐壺更衣の亡きあと後宮藤壺に迎えられて父帝の最愛の妃となった先帝の四の宮を恋慕し、ついに抑えがたい情熱に駆られて密通し、その結果藤壺は身ごもった。2人は絶対に知られてはならぬ罪を共有したのである。ふたたび藤壺に近づくことを禁圧された源氏は愛の渇きに苦しみ、ここに際限ない女性遍歴が始まる。藤壺の姪の紫の上を北山にみいだし、無理に自邸二条院に迎え取ったのも、この少女に藤壺のおもかげを求めてのことである。藤壺はやがて男子冷泉院を生んだが、秘密を知らぬ帝は、源氏に生き写しの皇子の誕生に歓喜した。
 源氏20歳の年、帝は朱雀院に譲位し、冷泉院が東宮となったが、しかし朱雀院の治世になると、その母弘徽殿大后(おおきさき)や右大臣一族の繁栄と表裏して、源氏や左大臣の勢力が衰退に向かうのは必然であった。源氏の生活にも不幸の影が忍び寄る。正妻葵の上が長男夕霧を出産ののち、執拗な物の怪(もののけ)に取り憑かれて死去したのである。その物の怪は、賀茂の斎院の御禊の日に、葵の上の一行との車争いによって辱められた六条御息所の生霊なのであった。御息所は、いまは故人である前東宮の妃であり、かねてより源氏を忍びに通わせる人であったが、この事件のために源氏との仲を断念し、おりから伊勢の斎宮として下向する娘とともに京を離れた。こうして源氏の身辺には暗雲がたち始めるが、ことに23歳の年父院が崩御されるや、右大臣一派の専横によってしだいに苦境に追い詰められた。そうした状勢のもとで、源氏と、尚侍(ないしのかみ)として朱雀院の寵愛を受けていた朧月夜との仲が露見する。朧月夜は右大臣の娘、弘徽殿の妹で、入内前から源氏とは忍びの仲だったのである。激怒した弘徽殿や右大臣は、この機会に源氏を謀反者に仕立てて政界から抹殺しようとたくらんだ。源氏は26歳の春、自ら京を離れて須磨の地に退居し、謹慎の生活に入ったが、1年後、暴風雨に襲われ、夢枕に現れた父帝の亡霊の教えに従い、明石の海岸に居を構える明石の入道の邸に移住した。やがて入道の娘明石の君と契って、その腹に明石の姫君をもうける。
 源氏は2年余の流浪ののち都に召還され、まもなく朱雀院にかわって冷泉院の治世になると、政界に返り咲いた左大臣らとともに栄華への道を直進することになったが、しかしその段階になると源氏はしだいに左大臣家と対立関係を深めるに至った。葵の上の兄であり、かつては無二の盟友であった頭中将を制圧し、無類の権勢を確立したのである。源氏32歳の年、藤壺崩御し、夜居(よい)の僧の密奏によって自己の出生の秘密を知った冷泉院は、父源氏に譲位しようとしたが、源氏はその意向を返上し、やがて太政大臣から准太上天皇の位に上り、六条院という地上の楽園を建設して栄華を極めた。
 以上、源氏39歳までを語る第1部の概要であるが、この間、帝の后妃でありながら源氏と共有した罪に苦しみつつ冷泉院を守り立てた藤壺の一生はもとより、空蝉、夕顔、末摘花などとのあやにくな交渉をはじめとして、夕顔の遺児玉鬘が源氏の愛の対象となって心を砕きつつも鬚黒大将の妻に収まる経過、源氏の長男夕霧が頭中将の娘雲居雁との幼い恋仲をさかれたものの、ついには晴れて結ばれる経緯、その他さまざまの人生が複雑に織り込まれながら、前記のごとき源氏の栄華の完成の過程が構成されている。

 

日本大百科全書(ニッポニカ)

 

www.instagram.com

箒木 源氏物語絵巻 伝海北友雪

matuyonosuke.hatenablog.com

 

www.instagram.com

空蝉 源氏物語絵巻 伝海北友雪

matuyonosuke.hatenablog.com

 

www.instagram.com

夕顔 源氏物語絵巻 伝海北友雪

matuyonosuke.hatenablog.com

 

www.instagram.com

若紫 源氏物語絵巻 伝海北友雪

matuyonosuke.hatenablog.com

 

www.instagram.com

末摘花 源氏物語絵巻 伝海北友雪

matuyonosuke.hatenablog.com

 

www.instagram.com

紅葉賀 源氏物語絵巻 伝海北友雪

matuyonosuke.hatenablog.com

 

www.instagram.com

花宴 源氏物語絵巻 伝海北友雪

matuyonosuke.hatenablog.com

 

www.instagram.com

葵 源氏物語絵巻 伝海北友雪

matuyonosuke.hatenablog.com

 

www.instagram.com

賢木 源氏物語絵巻 伝海北友雪

matuyonosuke.hatenablog.com

 

www.instagram.com

花散里 源氏物語絵巻 伝海北友雪

matuyonosuke.hatenablog.com

 

www.instagram.com

須磨 源氏物語絵巻 伝海北友雪

matuyonosuke.hatenablog.com

 

www.instagram.com

明石 源氏物語絵巻 伝海北友雪

matuyonosuke.hatenablog.com

 

www.instagram.com

澪標 源氏物語絵巻 伝海北友雪

matuyonosuke.hatenablog.com

 

www.instagram.com

蓬生 源氏物語絵巻 伝海北友雪

matuyonosuke.hatenablog.com

 

www.instagram.com

関屋 源氏物語絵巻 伝海北友雪

matuyonosuke.hatenablog.com

 

www.instagram.com

絵合 源氏物語絵巻 伝海北友雪

matuyonosuke.hatenablog.com

 

www.instagram.com

松風 源氏物語絵巻 伝海北友雪

matuyonosuke.hatenablog.com

 

www.instagram.com

薄雲 源氏物語絵巻 伝海北友雪

matuyonosuke.hatenablog.com

 

www.instagram.com

朝顔 源氏物語絵巻 伝海北友雪

matuyonosuke.hatenablog.com

 

www.instagram.com

乙女 源氏物語絵巻 伝海北友雪

matuyonosuke.hatenablog.com

 

www.instagram.com

玉鬘 源氏物語絵巻 伝海北友雪

matuyonosuke.hatenablog.com

 

www.instagram.com

初音 源氏物語絵巻 伝海北友雪

matuyonosuke.hatenablog.com

 

www.instagram.com

胡蝶 源氏物語絵巻 伝海北友雪

matuyonosuke.hatenablog.com

 

www.instagram.com

蛍 源氏物語絵巻 伝海北友雪

matuyonosuke.hatenablog.com

 

www.instagram.com

常夏 源氏物語絵巻 伝海北友雪

matuyonosuke.hatenablog.com

 

www.instagram.com

篝火 源氏物語絵巻 伝海北友雪

matuyonosuke.hatenablog.com

 

www.instagram.com

野分 源氏物語絵巻 伝海北友雪

matuyonosuke.hatenablog.com

 

www.instagram.com

行幸 源氏物語絵巻 伝海北友雪

matuyonosuke.hatenablog.com

 

www.instagram.com

藤袴 源氏物語絵巻 伝海北友雪

matuyonosuke.hatenablog.com

 

www.instagram.com

真木柱 源氏物語絵巻 伝海北友雪

matuyonosuke.hatenablog.com

 

www.instagram.com

梅枝 源氏物語絵巻 伝海北友雪

matuyonosuke.hatenablog.com

 

www.instagram.com

藤裏葉 源氏物語絵巻 伝海北友雪

matuyonosuke.hatenablog.com