阿弥陀如来 あみだにょらい 阿弥陀三尊 あみださんぞん 阿弥陀曼陀羅 あみだまんだら 山越阿弥陀 やまごしあみだ・やまごえあみだ

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阿弥陀来迎図

あみだによらい 阿弥陀如来

阿弥陀如来は諸仏の一なり、略して単に弥陀という。西方極樂世界の教主にして、我国にありては真宗浄土宗など他力宗門の本尊である。印度支那西蔵暹羅等にも信仰するもの多し、この仏光明無量十方を照らし障碍あるなし、故に阿弥陀というという。信仰の対照として画かれたるものは其数極めて多しと雖も、鑑賞芸術としては取扱われず、古来画かるゝものの勝れたるものにして国宝に指定されたるもの少なからず。

 

『画題辞典』斎藤隆

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阿弥陀三尊来迎図

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阿弥陀三尊来迎図

あみださんぞん 阿弥陀三尊

阿弥陀如来を中央本尊とし、之に観音菩薩を右に、勢至菩薩を左に、両脇侍として配せるもの、阿弥陀三尊となす。

 

題辞典』斎藤隆

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阿弥陀聖衆来迎図

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らいごうず 来迎図

浄土教美術の中では最も重要な主題の一つで,その大部分は阿弥陀如来の来迎を説く阿弥陀来迎図であるが,ほかに弥勒菩薩や十一面観音などの来迎図もある。また絵画として表現されるもののほかに彫像によって表現される来迎像もある。来迎図の教理的根拠は《無量寿経》所説の阿弥陀仏四十八願中の第十九願において,大衆を救済するために臨終まぎわの往生者のもとに阿弥陀仏が諸尊を従えて来迎するという誓約にもとづくものであるが,さらに《観無量寿経》ではこれをいっそう発展させ,大衆の機根に応じて上品上生より下品下生にいたる九品(9通り)の往生すなわち来迎のあり方を説いている。

 

『世界大百科事典 第2版』平凡社

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阿弥陀二十五菩薩

にじふごぼさつ 二十五菩薩

十往生経に、若し衆生阿弥陀仏を念じ往生を願はんには、仏、二十五菩陸を遣はして行者を護り、昼夜一切処につきそひて悪鬼神を防がしむとなり、二十五菩薩は即ち左の如し。

観世音菩薩、大勢至菩陸、薬王菩薩、藥上菩薩、普賢菩薩、法自在王菩薩、陀羅尼菩薩、白象王菩薩、虚空蔵菩薩、宝蔵菩薩、徳蔵菩薩、金蔵菩薩、光明王菩薩、金剛蔵菩薩、山海恵菩薩、華巌菩薩、日照王菩薩、月光王菩薩、衆宝王菩薩、三昧菩隆、獅子吼菩薩、定自在王菩薩、大威徳菩薩、大自在王菩薩、無辺身菩隆、

是なり、多く来迎仏として図せられ、中央に阿弥陀三尊を置くを普通とす

 

『画題辞典』斎藤隆

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絹本著色阿弥陀曼荼羅

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阿弥陀浄土曼荼羅

あみだまんだら 阿弥陀曼陀羅

阿弥陀曼陀羅阿弥陀如来を八葉蓮台に置き、之を中央の主として建立したる秘密の曼陀羅なり、即ち阿弥陀を普門万徳の中央法界性智とし、弥陀の四親近菩薩の第一なる観音を東方大円鏡智とし、第二の文殊を以て南方平等性智とし、第三弥勒を西方妙観察智とし、第四の維摩居士を以て北方成所作智に配して組立てたるものなり。

 

『画題辞典』斎藤隆

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山越阿弥陀

やまこえあみだ 山越阿弥陀

略して山越弥陀といふ、山を画き、その山の彼方に阿弥陀三尊の示現を画いたもの、時に日輪を以て弥陀の象徴としたものもある。藤原時代に、恵心僧都が叡山の横川に隠遁した際、三昧中に感得して此の図を画いたといはれる。山の彼方に弥陀の楽土あることを示した仏画の一つである。

 

『東洋画題綜覧』金井紫雲

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山越阿弥陀(やまごえのあみだ)

阿弥陀如来の来迎図の一種。「やまごしのあみだ」とも読む。阿弥陀如来と菩薩とが山の向こうから半身を現して念仏する人のため来迎し、極楽に救いとろうとする様相を描写したもの。この図様は中国の敦煌の壁画のなかにすでにあるが、日本では、恵心僧都源信比叡山横川で感得した形を伝えたものとする。京都の金戒光明寺本は阿弥陀三尊が山の彼方から半身を現し、京都の禅林寺本は三尊のうち観音・勢至の両菩薩が山を越えて念仏者に近づくところを描く。この2本は代表的であるが、金戒光明寺本は説法印を結び、その手に五色の糸がつけられており、この糸を引いて臨終時に安心して阿弥陀のもとに往生しようという風習の残りである。

 

 『日本大百科全書(ニッポニカ)』小学館